読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

雨の日

私が中学生だった頃の話です。



その日は朝から曇り空で、下校時刻にはパラパラと小雨が降っていました。

学校から家まで15分程度の道のりを、その日はなぜか、一人で帰っていたような気がします。一つ目のマンションを過ぎ、隣接する二つ目のマンションを過ぎた頃でした。前から男の子が。すぐに『彼』だとわかりました。小学生の時から「何となく」好きで、見ていたからわかったのです。



傘もささずにこちらに歩いてくる彼。

彼の家とは逆の方向から歩いてくる。



そのとき私は、噂を確信しました。

彼がいた方向には、「つき合っている」と噂される『彼女』の家がありました。



私は、彼と目が合ってしまう前に、傘に隠れました。

通り過ぎてゆく好きな人。たった数秒の出来事でした。



『きっと、一緒に帰ったんだ』



私は足早に家に帰りました。この日の事は、友達にも話しませんでした。

話したら、噂が本当になってしまうかもしれないから。



その後、彼と彼女が『つき合っている』かどうかは分からず。ただの噂だったのかもしれません。

広告を非表示にする