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そんな頃もあった

相手に彼女がいようがかまわない。

 こんな風に思えるくらいに、人を好きになるなんて。自分自身が信じられない。

 それまでの自分は「もう決まった人がいるから」「全く脈なさそうだし」と、何やかやと理由をつけては片思いのまま終わっていました。

 相手はバイト先のお客さんで、自分は23歳。人当たりはいいのにどこかシニカルに自分を見ている、これまで自分の周りにいないタイプで、殆ど一目惚れでした。

 何だかでエレベーターで二人きりになった時に、自分を抑えられず…

「好きです」

「うん、知ってる」

「キスして」

「俺、地元に彼女いるから」

「いても構わない」

 言ってる自分にびっくりしました。

 その後、彼は彼女と別れて私と付き合うことになったのです。が、長くは続きませんでした。その別れ際の彼のセリフは、「お前は俺のことを好き過ぎたんだよ」でした。

 私は彼のことがものすごく好きだったのですが、彼はそこまで私のことを好きではなく、そして私の思いが重荷になった…。

 20年近くも前のことです。若かったなぁ…。

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