純粋だったころの思い出

私はとある田舎の県立高校に通っていた。髪は茶色、耳には拡張したピアス。制服はもちろん腰履きし、足元はローファーというヤンキーみたいな格好で高校へ通っていた。今思えばお恥ずかしい限りである。

そんな田舎エセヤンキーに突然出会いは訪れた。友人に誘われ、近所の文化祭に行った時のことである。

友人の友人という田舎でありがちな出会いであったが、一目見て心臓がバクバクした。黒髪ストレートでモデルみたいなスタイル、おまけに顔が物凄いタイプだった。話しかけることも目を合わせることも出来なかった。

その日から常に彼女のことが忘れられず、何も手につかなかった。

そんな時友人より一通のメール。

「文化祭の時にいたあの子覚えてる?あの子が連絡先教えてほしいんだって」

またしても心臓バクバクである。もちろん断る理由などない。連絡先を交換してからは、朝から晩まで毎日のように連絡する仲となった。

そこからは放課後に会って買い物したり、プリクラを撮ったりとすぐに彼氏彼女の関係となった。毎日とても幸せだった。

高校3年生になり進路を決める時期となった。私は当時バンド活動をしており、音楽系の専門学校に内定が決まった。彼女は実家の手伝いをする為、地元に残ることになった。

高校を無事卒業し、東京へ行く日となった。私が東京へ向かう駅のホームで彼女は泣いた。その時は遠距離恋愛になるだけでこのままずっと続くものだと思っていた。

東京へ住み始めると飲み歩くようになり、次第に彼女へ連絡することが少なくなっていった。あれだけ彼女のことしか考えていなかったのにこのザマである。

結局バンドで売れることもなく、数年後アパレル業界に就職し他の人と結婚。現在に至る。

彼女には本当に申し訳ないことをしてしまった。でもこんな私でも付き合ってくれてありがとう。とても幸せでした。