百年の恋も冷めるとはこのこと

20代の頃、アルバイト先の会社で知り合った男性に恋をしました。



新人アルバイトだった私の教育係だったその人は、私より10歳年上の社員でした。口数の少ない人で、最初はとっつきにくい感じでしたが、ぽつりぽつりと話をする中で私は彼に惹かれていきました。



お互いの話をするうちに、私と彼とはかなり打ち解けていきましたが、他の人と話すときは相変わらず無口なので、職場ではかなり浮いていました。そんな彼を見て、「私とは話してくれる」と何だか嬉しかったのを覚えています。



何ヶ月か経ったある日、2人の関係に転機が訪れました。何と、彼がドライブに誘ってくれたのです。私は嬉しくて飛び上がりました。当日は気合いを入れておしゃれし、彼の車に乗り込みました。楽しいドライブになるはずでした。しかし、そんな私の期待は無残にも打ち砕かれてしまったのです。



実は、彼はスピード狂でした。山道をビュンビュン飛ばし、対向車に悪態をつくその姿に、わたしの気持ちはドンドン冷めていきました。ドライブが終わる頃には、私の恋心はすっかりなくなるほどに。



私は彼の告白を断りました。しばらくして、アルバイトも辞めました。あんなに好きだったのに一瞬で冷めた経験は、後にも先にもこのときだけです。