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高校時代の失恋経験

僕が彼女と出会ったのは17歳の夏。

 青春真っ只中だというのにこれと言って打ち込むものもなかった僕は、毎日を悶々と過ごしていました。

 夏休みが近付くにつれ、貴重な時間をダラダラ浪費してしまうことを恐れた僕は、急遽、部活をしてみようと思い立ったのです。

 そのようにして入部した文芸部に、彼女がいました。

 本を愛する女性というと物静かでお淑やかなタイプを思い浮かべますが、彼女はむしろ真逆で、明朗快活な性格。誰とでも打ち解けて話すタイプでした。

 ある日、彼女と二人きりの状況が訪れたのです。他の部員も顧問の先生もいない、二人きりの静かな状況でした。

 僕らはそこで時が経つのも忘れて話しました。

 その日以来、彼女は僕によく話し掛けてくれ、内向的でシャイな僕をリードしてくれる存在になったんです。そしてボディタッチが多い。女性に触られると男はドキドキしますよね。僕も彼女に触られる度に胸の鼓動が早くなったのを覚えています。

 やがて僕は彼女に好意を抱いていることに気付きました。恋愛感情です。

 そして彼女の方も僕に好意を持っているという確信がありました。

 あれだけ親密に接してこられたら、そりゃ誰だってそう思うじゃないですか。

 僕は意を決して告白しました。……しかし、結果はNO。ソッコーで撃沈です。生まれて初めて告白した相手に見事フラれてしまいました。

 彼女は僕を友人としか見ていなかったと正直に言いました。

「話しやすいからつい私も調子に乗って……。誤解させちゃったならゴメンね。でも私ってこういう性格だからさ」

 僕はまるで周りが見えていなかったのです。その後冷静になって彼女の振る舞いを観察すると、他の男子部員にも同じように気安く接する彼女の姿が目に付きました。

 恋愛経験の乏しい男っていうのは、こういう場面ですぐ自分を見失うんだなとつくづく感じさせられましたよ。

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